熊田梨恵の独り言

避妊教育から、妊娠教育へ? ~来年度、保健体育の教科書が改訂

最近「妊活」という言葉が聞かれますが…。

 

ある記事の執筆のため、性教育について取材を進めていた私は、現在の中高の保健体育の指導内容について、コンドームの使用法など避妊に関する知識が強調される「避妊教育」のようになってしまっているのではないかと感じていました。

 

しかしそれでは、女性の社会進出が進んだ現代社会で、よりよい環境で出産・育児をできるようにするにはどうしたらいいのかという本質的な知識が得られないと思うのです。実際に取材を進める中で、「30代後半に出産しても、まだ早いと思っていた」という40代女性の声もありました。妊娠適齢期はいつなのか、 年齢によるリスク、またリスクの数字そのものをどう捉えたらよいのかなどといった「妊娠・出産のための教育」が必要だと思います。

 

そこで文科省の担当者から、保健体育の教科書の改訂内容を聞きました。
新学習指導要領の下、来年度から教科書が改訂されるのです。
「来年度から高校2年生が使う教科書では、これまでの教科書に書かれていた家族計画の意義や人工妊娠中絶の影響に加え、年齢別に見た死産率についてのグラ フも出ています。妊娠にも適齢期があり、年齢が高くなるとホルモンバランスなどの影響により死産率が高まります、という内容を指導するようになっていま す」(文部科学省学校健康教育課)。

 

こうした内容が取り入れられた背景には、「改定に当たって、この辺りの知識が必要と思われ、取り入れられたのではないかと思います」と話しており、妊娠・出産に関する知識に関する指導内容が薄かったのではないかとの見方を示していました。

 

国としてもそれなりの対応を考えているのだと分かりましたが、実際のところ、高校の授業で聞いた話を自分自身がそこまでしっかりと覚えているだろうかと思 うと……。授業だけでなく、若者たちの遊びの場、ネットや現実世界のコミュニティ、地域などの場で、こうした話が自然にされていくようになる環境を作って いくことが大事ではないかと感じます。

 

京都でHIV/AIDS啓発を行っていたNGOは、流行とアングラな雰囲気を巧みに使いながら、うまく若者を巻き込んで、HIV/AIDSや性教育の知識・情報 の普及啓発をしていたなと思い出します。毎月のクラブイベントはとてもカッコよく、私もそこに通うのが大好きでしたし、自然と知識や情報が入ってきていま した。何気なくその日のイベントに足を運んだ若者が、自然に学んで、楽しんで、「カッコいいイベントだったからまた来たい」と言って友達を誘って一か月後 に再来するのです。そんな風に、何かできないかなと考えている最近の私です。